財団法人 国際美容協会ビューティクラブ1998年6月号掲載
創作意図と技術ポイント
今、世の中はコンピュータ時代。これからは、ヘアースタイルもインターネットなどを通じて、各国の美容師たちが全世界に発信していくようになるでしょう。今回の作品は、そんなコンピュータの世界をテーマに、自分で考えたことを(ソフト)をテクニック(ハード)で最大限に表現したら、こんな風になるのでは?と、オリジナル性を追求して創作しました。見る人の想像力にリンクして、私の意図するところが見えたら幸いです。今流のカットスタイルは小さくて質感を生かしたバランスの取りやすいものですが、それに対して、私の作品は逆です。私の求めているものは、ピカソの絵のように立体的に表現すること。上下、左右、前後、斜めからも想像できる、三次元の世界を二次元(平面)の世界で表現することです。この作品は量感もあり、質感と絡み合った動き、そしてカラー、ちょっとアートした総合的なバランスヘアーです。非日常的な髪型ですが、ドレスでも着物でも、見方を変えればOK。ニューヘアーは、そんな非日常的なところから少しずつ取り入れられてくるのではないでしょうか。
受賞のことば
いつも美容師としての夢を追って
芸術際には、これまで何度か出場してきましたが、第47回は私の美容20週年と重なり、たいへん記念になる大会でした。生きることは夢を追うこと、誰もが目標に向かっていきています。それは、人によって車だったり、家だったり。美容師なら、自分の店を持つことが夢の場合も多いと思います。そのためには、毎日、すこしずつ夢をおうこと。コンテストの出場も、そのひとつに違いありません。現在、私の夢は、自分のオリジナルのジャンルを構築することです。コンテストでは、オリジナルの飾りをつくるのに多くの時間を費やしました。自分の作品を表現しようと思うと、既成の物ではなく、自分の手で生み出すしかないのです。今年もコンテスト大会に出場し、また、撮影のチャンスが得られるように頑張ります。これからの美容師さんも、課題を1つひとつクリアして、夢を実現していってください。
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