(02)読売新聞 埼玉版 2000年3月1日水曜日第44498号
幸手から世界目指す
幸手市の美容室から世界の舞台へ。同市北で美容店を経営する松沼義雄さん(41)が、昨年1月から今年にかけて、アメリカやイギリスなど4カ国・地域で開かれる髪のカット技術などを披露するヘアーショーに立て続けに出場し、美容業界の注目を集めている。これまで国内で行われた様々なヘアーコンテストでの実績が認められ、海外のステージに推薦された。松沼さんは「今後仕事を続けるうえで大きな励みになった。これからもいろんな舞台に挑戦し、多くのことを学んでいきたい」と意欲を見せている。
海外へアーショー、次々出場
松沼さんが美容の仕事を始めたのは22年前。大宮市内の長い見習生活を経て、11年後幸手市内に自分の店をかまえた。店主になった当初から「細々と続けるのではく、やるからにはいろんな場面で刺激をうけながらちからをつけていこう」と決意。東京都内で開かれる髪のカットの基本技術や流行性を競うコンテストに次々と挑戦していった。1996年には、国内の美容業界で最も注目を集めている「山野愛子美容芸術祭」で優勝。これまでの入賞回数は、35回に上る。こうした実績が評価され、社会文化功労賞受賞者で、日本を代表する美容師である北村龍彦氏から推薦を受けて、昨年1月末にアメリカのロングビーチで開催された「IBSヘアーショー」に出場。世界中から約7万人の美容師らが集まったステージで、日本の時代劇で見られる髪型を独自のデザインにアレンジして披露した。その後、日本の美容技術を海外へ紹介するマネージメント会社からの推薦で、同年7月に台湾、同年11月にタイで開かれたヘアーショーに次々に出場した。さらに、今年2月6,7日には、イギリス、イタリア両国の一流美容師が集まりロンドンで開かれた「ワールドヘアードレシング・コングレス・2000」に日本チーム15人の1人として出場。ロンドンの女性プロダンサーと共演で、髪を上でまとめる「アップスタイル」と呼ばれるヘアーデザインを披露し、本場の観客を沸かせた。専門雑誌からの取材も受け”カリスマ美容師”の仲間入りを果たした松沼さんは、「海外での経験は一生の宝。今後もいろんな体験を通して、後に続く若い世代の美容師さんに夢を与えていきたい」と話している。
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