富士山頂でヘアカット  被災地募金も呼びかけ
来月2~4日 「山の御利益届けたい」
 幸手市で美容室を経営する松沼義雄さん(52)が、8月2日から3日間、富士山山頂でボランティアのヘアカットを行う。2006年に続く挑戦。今回は、東日本大震災の被災地を支援する募金も呼び掛ける。松沼さんは「富士山の御利益も被災地に届けられたら」と張り切っている。
 松沼さんは02年、家族3人で富士山に登った際、親しくなった山小屋の経営者に頼まれ、その場にあった裁ちばさみで散髪。とても喜ばれたことから、4年後、はさみや椅子などを持参して再び山頂へ。3日間で山小屋従業員や登山客ら、小学生から77歳までの男女112人を無料でカットした。
5年前に使った椅子を持ち出し、気合を入れる松沼さん。ペットボトルで作った募金箱と、被災地への思いなどをつづった客の寄せ書きを持ち込む(幸手市で)  松沼さんはこれまでにも、一日で100人以上をボランティアでカットしたり、女性の髪を花の形にアレンジする「花編みヘア」を考案してファッションショーに参加したりするなど様々な挑戦を続けてきた。富士山山頂カットの再挑戦もずっと心に温めてきたといい、今回の震災で「自分にできる支援をしよう」と実行を思い立った。
 8月1日に丸一日かけて山頂に登り、翌日午前10時半頃からカットを開始。4日午後2時頃で切り上げて下山する予定だ。機材など約10キロにもなる荷物に加え、山頂では強い日差しと冷たい風、高山病との戦いにもなるという。
 ともに美容室を経営する妻美智子さん(54)は、原発事故で警戒区域に指定された福島県富岡町の出身。避難生活を強いられている親族もおり、盆の墓参りも行けなくなった。松沼さんは「自分にも身近な問題。挑戦と支援の大切な二つを成し遂げたい」と話している。

(2011年7月30日 読売新聞掲載文より引用)

詳しくはアビン美容室0480-42-1941 松沼まで